■MLM業界に異変が起こっている?
1998年に、
2000億円、851億円、409億円。
そして、2001年には…、
1200億円、600億円、216億円
これらは、日本のMLMの御三家といわれた外資系A社、N社、H社の売り上げの推移です。現在、A社は、ピーク時から5年間で1千億円に近い売り上げダウンとなりました。そして、H社に至っては、10位にもランキングされていません…。
また、視野を本拠地アメリカに広げてみても同様のことが起こっています。A社はかろうじて1位ですが、2位はもうN社ではありません。H社も大きく売り上げを落としています。まるで、ビジネス・ライフ・サイクルの「衰退期」に入ったように!…です。
なぜ、こうなってしまったのでしょう。
この認めなければならない事実には、なにか理由があるはずです。
新しいコンセプトと新しいプランを持つ会社の出現が、その大きな外的要因と思われますが、そればかりではない旧御三家自体に共通の内的要因も否めない事実のようです。
批判を恐れず極言しますと…、貧しいガレージでの販売から「良いものを世界へ」、という高い志の創業時の理念が大企業となるに従ってしだいに希薄になり、自社に利潤を吸い上げるための大企業としてのビジネスモデルへと変わっていきました。
カスタマー(消費者)と会社が、手と手を携える本来のMLMの姿から、しだいに創業の崇高な理念は形骸化し、カスタマーを囲い込もうとする一般大企業の理念のビジネスに変容してしまいました。
そして、MLM商品は「良いけど高い」のはあたりまえということを、ディストリビューターという名の消費者に植え込んできました。宣伝費や問屋・小売店という流通マージンをディストリビューターに還元する本来のMLMから、多すぎる企業利益にMLMマージンを上乗せする、とても高い「上げ底価格の商材」となってしまったのです。
そうです。MLMの多くは、消費者がほとんどディストリビューターだけの「一般消費者が不在のMLM」になっていったのです。本来、卓越した流通手法であったMLMが、しだいに一般流通商品と隔絶した高価な製品を扱う、閉ざされたビジネスモデルへと変貌してしまいました。
そうして、『高い』商材をビジネスメリットの付加価値で販売する、という(従来型の)MLMの構図ができ上がっていきました…。
しかし、ビジネスメリットに惹かれて参加してみても、MLMのコミッション計算センターなどの統計で明らかになっているように、60%以上の人が、ただの1人もリクルートできずに挫折して行くのです…。
多くの人にとって、事実上 「ビジネスメリットは虚妄」となってしまうのです。
ビジネスメリットのためにオートリピート購入契約をした人は、期待したビジネスメリットという価値が得られないために「被害者化」して、また、オートリピートでない随時購入の人は、ほとんど商品購入をしない、という流通無き空洞組織となってしまうのです。
★ビジネスメリットの付加価値に、過剰なまでに比重をおいたMLMの旧式のやり方は間違っていたのです。
MLMも流通の一形態である以上、製品は、「商材価値自体で販売」されなければいけません。(ビジネスメリット抜きであっても)支払った金額に対して、満足を与えられる商材自体でなくてはならないのです。
まず、「製品ありき」「適正価格ありき」「愛用ありき」です。そして、『流通ありき』なのです。
これらの大きな前提の上に、「ビジネスメリットがある」ものこそ、本来のMLMビジネスなのです。
また、買い込みによる過剰在庫にも片目をつぶってきました。ビジネス参加者の過剰在庫で売り上げが上がっているのは、流通(消費)が起こっている売り上げとは全く異なります。
買い込みによる連鎖はいつか必ず崩れるのです。
「消費する分を適正価格で必要とする人に流通させる」のが、本来のMLMです。
|